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クラス ×イト
第7章 アらガう 【堂林亮伍】
※ ※
そして週が明け、月曜日の放課後――。
「――!」
俺は部活に顔を出した瀬山の姿を見て、内なる炎を燃やしていた。
だが、今じゃない……。
逸る気持ちをグッと閉じ込め、俺は練習に臨んだ。
ダム、ダム――キュ、キュッ!
ドリブルのボールが奏でるリズムと、床にシューズが擦れる小気味よい音色。それらが絶え間なく、体育館の中に木霊する。
俺は――頻りに声を張り上げ、気合の籠ったプレーに終始。
一方の瀬山は――淡々と練習のメニューをこなしてゆく。
そして、この日の練習が終わった時だった。
「瀬山!」
さっさと引き上げて行こうとする瀬山を、俺は呼び止めた。
「――?」
瀬山は声をかけた俺を、意外そうな顔で見ている。一年から同じバスケ部だが、俺たちは別に仲がいい訳でもない。それどころか、話したりすること自体が稀だ。
「俺は全体練習の後も残って、個人練習をしてるんだ。毎日、必ずな。瀬山――お前もたまには、付き合えよ」
その申し出に、瀬山は少し考えるようにしてから、こう答える。
「せっかくだが、遠慮させてもらう」
「……」
俺は奥歯をギリリッと鳴らす。
ああ、お前はそんな感じなんだろうよ。俺は瀬山との温度差を改めて実感するが、それも織り込み済みだった。
――パシッ!
「――!」
突然、俺が投げたボールに素早く反応し――瀬山が、それをキャッチする。