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クラス ×イト
第7章 アらガう 【堂林亮伍】
キュキュッ――ダンッ!
「ッ――!?」
――パサッ。
瀬山は一瞬で俺を置き去りにすると、最初のゴールを決めた。
だがまだ始まったばかり、次は俺のオフェンス。だが――
「うおっ――!」
瀬山の隙のないディフェンスにより、俺の手から弾かれたボールがコートの外に転がる。
ボールを拾った海藤は――
「亮伍……」
何か言いたそうな顔を、俺に向けた。
俺はその手から、ボールをひったくり――
「いいから、黙って見てろ」
と、言った。
海藤がどう考えてるのか、大体わかる。俺が瀬山と勝負するなんて、無謀だと思ってんだろ。
そして、それを裏付けるかのように、その後も瀬山は俺を圧倒していった。
「まだだっ!」
俺は自分を鼓舞するように、そう声を上げる。
速さ、巧さ、高さ――瀬山はその全てを持ち合わせていた。瀬山の実力は、やはり俺を遥かに凌駕する。
しかし、そんなことは俺だって知ってんだよ。十分すぎるほどに……な。
だから――俺の持ち掛けた『勝負』は、そういうことではなかった。