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クラス ×イト
第7章 アらガう 【堂林亮伍】
 勝負を始めてから、どれくらい経った頃だったか……?

 俺の目論見に、狂いが生じ始めて――いた、のは。


「くそっ――!」


 フェイク!? くっ――また!

 右――いや、逆――か!

 リバウンド――! た……高えっ!

 そこから、打つかよ!

 ――パサッ!

 しかも……決まる……。


 見事なシュートを披露し、瀬山は俺に問う。


「まだ――続けるのか?」

「あ……当たり前だっ!」

 俺は息を乱しながらも、そう答えた。

 これは、時間無制限の勝負。絶対に負けねえからな。そんな想いを、まだ強く秘めて……。

 しかし――

「――!」

 俺はもうそれに、気がつき始めていた。

 俺を翻弄しながらも、瀬山はまるで全力を出していない。恐らく七割――いや、いいとこ六割か……。

 軽く流しながらのプレーをいくら続けても、奴が消耗するはずもなかった。

「うおおっ!」

 それに気がついた俺は、瀬山に全力を出させようと焦る。だが無理を重ね空回りをすると、削られていたのは俺の方だった。


「はあ……はあ……」


 チクショウ……俺は、どうすれば……いい?

 やがて、俺が途方に暮れていた時だった。


「亮伍! ガンバって!」


 鎮まる体育館に――海藤のその声が響き渡る。
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