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クラス ×イト
第7章 アらガう 【堂林亮伍】
「――!?」
俺はその海藤の姿を見て、愕然とした。
いつも呑気に笑ってる女が、似合わない悲壮な顔を俺に向けてやがる。華奢な肩を怒らせて腹から絞り出したような、その大声にしても……そうだ。
お前なんてなっ! 瀬山の華麗なプレーに――素直に見惚れてればいいだろっ!
俺は思わず、喚き散らしたくなった。やるせなかった。情けなくなった。
海藤は優しいから、きっと本心から弱い俺のことを応援してくれてる。そう思えるから、尚更だった。
俺に同情して――瀬山が好きなのに――その想いは閉ざして、いた。
それを十分に実感していた時――。
「俺の…………負けだ」
俺はそう言って、コートの上にガックリと両膝をつく。
俺を応援する海藤の声――皮肉にもそれが、俺の心をへし折ってしまった。