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クラス ×イト
第7章 アらガう 【堂林亮伍】
呆気に取られ、海藤に見惚れていたような俺――。
だが――
「瀬山くんが、亮伍を強いって言った意味。私には何となくわかるんだよ。亮伍は瀬山くんの持ってないものを、ちゃんと持ってるんだね」
その言葉が、また俺の心をささくれ立たせた。
「そんなの、ウソだ!」
「亮伍……?」
心の奥底のモヤモヤを、俺は自然と言葉で吐き出し始める――。
「例えば五年後――俺は普通の会社員か何かになって、当然バスケなんてしてなくてさ。酒なんか飲んだ時に、きっと言ってるんだ。『昔はバスケ一筋だったな』……なんて、懐かしそうな面して……」
目に見えなかった想いは、自分でも驚くほど明確な言葉に変わっていった。
「そんな未来を……俺は見ない振りしてた。わかってるのに、バカだからって、わからないと言い訳した。自分を誤魔化すために『まだだ』『もっとやれる』って、それこそ必死に自分を奮い立たせた」
「亮伍……」
「なのに……瀬山が……あの瀬山が、あんな風に言ったら……いくら、俺がバカだって……」
ポタ……ポタッ……と、零れ落ちたもので。
俺の視界が、滲んでゆく。
「もう……気がつく、しか……」
瀬山……こんな俺の、何処が強いってんだよ?
そんな自問をして、打ちひしがれそうな――俺の心。
そんな瞬間に――その心ごと――
「それで――いいんだよ」
「――!」
海藤の胸の中が、俺を抱き寄せて――くれてたんだ。
だが――
「瀬山くんが、亮伍を強いって言った意味。私には何となくわかるんだよ。亮伍は瀬山くんの持ってないものを、ちゃんと持ってるんだね」
その言葉が、また俺の心をささくれ立たせた。
「そんなの、ウソだ!」
「亮伍……?」
心の奥底のモヤモヤを、俺は自然と言葉で吐き出し始める――。
「例えば五年後――俺は普通の会社員か何かになって、当然バスケなんてしてなくてさ。酒なんか飲んだ時に、きっと言ってるんだ。『昔はバスケ一筋だったな』……なんて、懐かしそうな面して……」
目に見えなかった想いは、自分でも驚くほど明確な言葉に変わっていった。
「そんな未来を……俺は見ない振りしてた。わかってるのに、バカだからって、わからないと言い訳した。自分を誤魔化すために『まだだ』『もっとやれる』って、それこそ必死に自分を奮い立たせた」
「亮伍……」
「なのに……瀬山が……あの瀬山が、あんな風に言ったら……いくら、俺がバカだって……」
ポタ……ポタッ……と、零れ落ちたもので。
俺の視界が、滲んでゆく。
「もう……気がつく、しか……」
瀬山……こんな俺の、何処が強いってんだよ?
そんな自問をして、打ちひしがれそうな――俺の心。
そんな瞬間に――その心ごと――
「それで――いいんだよ」
「――!」
海藤の胸の中が、俺を抱き寄せて――くれてたんだ。