この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第7章 アらガう 【堂林亮伍】
「かい……とう?」
俺の視界を覆ったんは、体操着後越しの微かな弾力。
包み込むような柔らかさに触れ、俺の気持ちも和らいでいった。
海藤は両手で、俺の頭を更にきゅっと抱き寄せ。そして、囁くように話す。
「亮伍は、バカなんかじゃないよ。自分の弱さとちゃんと向き合ってた来たの。いつだって、それに負けなかったの。抗い続けていた――それが、亮伍の強さだよ」
「だけど……だけどよぉ……」
「プロになんか、なれなくってもいい……今の全力の姿を、無駄だなんて思わないで。ううん、私が無駄になんてさせない。ちゃんと見てるから……この一瞬の堂林亮伍を、私のちゃんと……この心に、刻みつけているから」
その時、海藤の心が俺の中に染み込んだ気がして……俺は、もう……。
「うわあああっ――!」
――声を上げて、全力で泣いた。