この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
体育館を出る前に、振り返った俺はもう一度、堂林の方を見た。
奴はガックリと項垂れていた。が――その傍らには、それを気にかける海藤の姿がある。
「……」
それを見た俺の胸に去来していたのは、恐らくあの時と同じ。それは俺に相談とやらを持ち掛けた、乾英太の話を聞いた時のことだ。
状況は様々で各々に葛藤があることを、決して軽んじている訳ではなかった。それでも、奴らの想いが、俺には何処までも真っ直に思えた。
例え届かなくとも、その想いを捻じ曲げようなどと考えたこともないんだろう、な。俺だって、できるならそうしいたい。もちろん、不可能でないことも知っていた。
でもそうしない俺は、自分の言葉通り――やはり、強くはなかった。
「羨ましい――よ」
俺はまたそれを呟き、コートを後にしてゆく。
奴はガックリと項垂れていた。が――その傍らには、それを気にかける海藤の姿がある。
「……」
それを見た俺の胸に去来していたのは、恐らくあの時と同じ。それは俺に相談とやらを持ち掛けた、乾英太の話を聞いた時のことだ。
状況は様々で各々に葛藤があることを、決して軽んじている訳ではなかった。それでも、奴らの想いが、俺には何処までも真っ直に思えた。
例え届かなくとも、その想いを捻じ曲げようなどと考えたこともないんだろう、な。俺だって、できるならそうしいたい。もちろん、不可能でないことも知っていた。
でもそうしない俺は、自分の言葉通り――やはり、強くはなかった。
「羨ましい――よ」
俺はまたそれを呟き、コートを後にしてゆく。