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クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】

    ※    ※


 次の朝、学校に向かう俺。朝の雑踏。通勤や通学、そんな人間たちのいる風景。

 それは、いつもと同じ景色だった。

 俺が同じ道を歩く限り、それは変わらない。何ひとつ違ってるように見えない。だからたまに違う道を進みたくなる。学校をサボり、違う場所に向かう。

 だが目的がない俺の前には、決して新鮮な景色は広がらない。それがわかってしまえば、そうすることも無意味だった。

 違う景色を眺めたいと思えば、俺自身が変わらなければならないのだろう。


 いつもの教室に行くと、そこに仲間という風景が広がる。仲間という言葉には、常にある種の違和感が伴っている。だがその中に溶け込むのは――溶け込んだつもりになるのは思いの外、悪くはなかった。

 俺に仲間を与えてくれたのは、礼華だった。

 そして、それらはやや興味深い。その中には、時として微妙な変化を感じるからだ。俺がそこに関わるからこそ、その変化を知ることができる。


「瀬山」

 俺の姿を見て、すぐに近寄って来たのは――岸野護。仲間の一人だ。最近、何故だか浮かれていた護だったが、今は少し様子が違う。俺はその変化を察していた。

 護は何かが気に入らないような顔で、俺に小声でこう話した。


「なんか知んねーけど、昨日から裕樹の奴が変なんだよ」
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