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クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
今までのように、気が向いた時だけバスケをしに行く。それはもう、できない気がしていた。
昨日までなら、それも許されていたのだろう。だが俺は、堂林の想いを挫いてしまった。その俺が素知らぬ顔をして、あの中に紛れるのはもう無理だと思えている。
続けるつもりなら、奴の言うように必死に……。だが俺は、あんな目にはなれない。そのことを俺は、堂林に思い知らされてしまった。
考えすぎか……? だがどの道、曖昧にはできない。辞めるのか、続けるのか……そろそろ、決める時期……。
「――!?」
周囲に人の気配を感じて、俺はハッと目を覚ました。いつの間にか、すっかり昼寝をしてしまったらしい。時計で時刻を確認すると、もう放課後であることを知った。
図書室には本を借りに来たり、勉強をしたりしている連中の姿がある。何気にその様子を眺めていると――
「!」
斜向かいの席に、俺は知っている顔を見つけた。
「――読書か?」
「……」
聴こえてない――訳じゃないよな。俺はそう感じつつも、声の音量を一段階上げた。
「なあ、藍山――」
「……」
ちゃんと名前を呼んだにも関わらず、その女――藍山栞は黙して本を読み続けている。
昨日までなら、それも許されていたのだろう。だが俺は、堂林の想いを挫いてしまった。その俺が素知らぬ顔をして、あの中に紛れるのはもう無理だと思えている。
続けるつもりなら、奴の言うように必死に……。だが俺は、あんな目にはなれない。そのことを俺は、堂林に思い知らされてしまった。
考えすぎか……? だがどの道、曖昧にはできない。辞めるのか、続けるのか……そろそろ、決める時期……。
「――!?」
周囲に人の気配を感じて、俺はハッと目を覚ました。いつの間にか、すっかり昼寝をしてしまったらしい。時計で時刻を確認すると、もう放課後であることを知った。
図書室には本を借りに来たり、勉強をしたりしている連中の姿がある。何気にその様子を眺めていると――
「!」
斜向かいの席に、俺は知っている顔を見つけた。
「――読書か?」
「……」
聴こえてない――訳じゃないよな。俺はそう感じつつも、声の音量を一段階上げた。
「なあ、藍山――」
「……」
ちゃんと名前を呼んだにも関わらず、その女――藍山栞は黙して本を読み続けている。