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クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
ここまで無視されると、不思議と清々しい気分にすらなる。否、そんなのは俺だけか。普通の奴なら、怒り出すか声をかけるのを諦めるかするのかもしれない。
ともかく、何となく興味がそそられていた俺。席を藍山の正面に移動すると、敢えて軽々しい口調で改めて話しかけた。
「仮にもクラスメイトが、話しかけてるんだぜ。顔くらい向けたら、どうなんだよ」
恐らくクラスに於ける俺のイメージは、大体そんな感じではないかと思う。一緒にいる連中の影響もあり、恐らくはややチャラく見られていた。ろくに話したこともない、藍山からすれば尚更の筈だ。
ようやく本から視線を上に向ける藍山。そうして訝しげに俺を眺めると、こう言った。
「私と話さない方が、いいと思うけど」
「どうして?」
「私――赤緒さんや山村さんに、あまり良く思われてないの」
「へえ……そうなのか。それは、初耳だな」
「だったら、憶えておいて。じゃあ私は、本の続きを読むから」
ぴしゃりと俺をシャットダウンして、藍山はまた本へと視線を戻す。
俺は思わずふっと、無音で笑みを浮かべた。
なるほどね……。これなら、西の奴も苦労する訳だ。俺は不意に、そんな風に感じる。
その一方で更に興味を増して、俺は唐突で不躾な質問を藍山にぶつけた。
「藍山って――好きな奴とか、いるのか?」
ともかく、何となく興味がそそられていた俺。席を藍山の正面に移動すると、敢えて軽々しい口調で改めて話しかけた。
「仮にもクラスメイトが、話しかけてるんだぜ。顔くらい向けたら、どうなんだよ」
恐らくクラスに於ける俺のイメージは、大体そんな感じではないかと思う。一緒にいる連中の影響もあり、恐らくはややチャラく見られていた。ろくに話したこともない、藍山からすれば尚更の筈だ。
ようやく本から視線を上に向ける藍山。そうして訝しげに俺を眺めると、こう言った。
「私と話さない方が、いいと思うけど」
「どうして?」
「私――赤緒さんや山村さんに、あまり良く思われてないの」
「へえ……そうなのか。それは、初耳だな」
「だったら、憶えておいて。じゃあ私は、本の続きを読むから」
ぴしゃりと俺をシャットダウンして、藍山はまた本へと視線を戻す。
俺は思わずふっと、無音で笑みを浮かべた。
なるほどね……。これなら、西の奴も苦労する訳だ。俺は不意に、そんな風に感じる。
その一方で更に興味を増して、俺は唐突で不躾な質問を藍山にぶつけた。
「藍山って――好きな奴とか、いるのか?」