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クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
あの西が気にかけている相手だということに加え、つい先週には期せずして乾の気持ちも聞いている。俺が脈絡もなくそれを口に出したのは、それらの事情も手伝ってのことだ。
そして何故かわからないが、この一風変わった藍山という女に、俺は刺激を受けてしまっている。話してみて、面白いと感じたのだ。誰かとの会話をそんな風に感じるなんて、俺にしてみれば滅多にあることではない。
最も会話としては、まだほとんど成立してはいないが……。
藍山はふっとため息をつくと、読み止しの本に栞を挟みそれをパタッと閉じた。それから不愉快そうな瞳で俺を見据える。
そうして口にした言葉が――
「暇つぶしなら、他を当たったら」
また何とも、取りつく島もないものだった。
「暇つぶしじゃない。俺はお前に興味があるんだよ」
「どんな風に?」
「え……?」
それを訊き返された時に、俺は些か面食らう。「どうして?」と問われるのに比べれば、それは遥かに答え難かった。
そんな藍山を改めて「面白い」と感じる――が、そう言ってしまうのはあまりにもガキっぽい。俺はやや考えた後に、こんなことを口にしていた。
「たぶん……似ているから。俺はお前に、シンパシーを抱いたんだ」
急いで提出したその解答は、自分でも意外なものとなった。
そして何故かわからないが、この一風変わった藍山という女に、俺は刺激を受けてしまっている。話してみて、面白いと感じたのだ。誰かとの会話をそんな風に感じるなんて、俺にしてみれば滅多にあることではない。
最も会話としては、まだほとんど成立してはいないが……。
藍山はふっとため息をつくと、読み止しの本に栞を挟みそれをパタッと閉じた。それから不愉快そうな瞳で俺を見据える。
そうして口にした言葉が――
「暇つぶしなら、他を当たったら」
また何とも、取りつく島もないものだった。
「暇つぶしじゃない。俺はお前に興味があるんだよ」
「どんな風に?」
「え……?」
それを訊き返された時に、俺は些か面食らう。「どうして?」と問われるのに比べれば、それは遥かに答え難かった。
そんな藍山を改めて「面白い」と感じる――が、そう言ってしまうのはあまりにもガキっぽい。俺はやや考えた後に、こんなことを口にしていた。
「たぶん……似ているから。俺はお前に、シンパシーを抱いたんだ」
急いで提出したその解答は、自分でも意外なものとなった。