この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
 それでも別に、適当に言ったつもりはない。直感的ではあったとしても、俺は確かにそう感じていたのだ。

 それに対する、藍山の言葉は――

「仮に本心で言っているのなら……貴方も『途中』だということになる」

「……?」

 まるで、意味不明。だが不思議と、心に引っ掛かるものがあった。

「それ――どういう意味だよ?」

「意味ではなく、単なる事実。わからないのなら、気にする必要も――きっと、ない」

 静かにそう語った藍山からは、それ以上の意図を聞きだせそうな気配はなかった。

「じゃあ、私はこれで――」

 と、藍山は読んでいた本を、鞄に仕舞う。

「待てよ。帰る前に、俺の質問にも答えていけ」

「質問?」

「好きな奴がいるかって――最初に訊いただろ」

「からかい半分のそれを、真面に相手にすることはない――そう思ったのだけれど」

「からかってないさ。少なくとも、今はな――」

 俺が真剣な顔で見据えると、藍山はポツリと言った。


「わからない」

「……」


 結局は、はぐらかされたか……。そう思うが、流石に仕方がなかった。急にそれを訊ねた俺に、正直な気持ちを打ち明ける筈もない。

 だがそれなら「いない」と言っておけば、いいんじゃ……。俺がそんな風に、感じていた時だった。


「瀬山!」

 と、俺を呼ぶ声が静かな図書室に響く。
/579ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ