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クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
「午後の授業で見かけないと思えば、こんな場所で何してたんだよ」

「西か――ちょっと、読書をな」

 俺の言葉で西慶介の来訪を知ると、藍山はほんの僅かだが肩をピクッと揺らした。

「嘘つけ」

「嘘じゃなく、単なる冗談だ」

「そんなの、どっちでも――ん、藍山?」

 西は俺の傍らまで来て、その存在に目を止めた。

 すると、藍山はスッと立ち上がり――

「西くん、さようなら」

 と、敢えて――といった感じで、西にのみ挨拶を口にしている。

「ああ……気をつけて帰れよ」

 西はややきょとんとしながらも、そう言って帰って行く藍山を見送っていた。

 そうしてから、西は藍山の居た席に座ると、俺をじろっと睨む。

「藍山と何を話してた?」

「気になるか?」

「俺が先に訊いたんだろ」

「世間話――で、どうなんだ?」

 と、すかさずに問い返すと、西は呆れ顔に変わった。

「まあ、そんなことはいい。それよりも――」

 どうやらその辺は、俺にも答えたくないらしい。そして西は、話題をガラリと変えて、俺に説教を始めた。
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