この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
西の性質を改めて考えた時に、やはり少し違和感を覚えしまった。自信家であるこの男らしくない。とても慎重だと感じる。
それはさっきまで俺と話していた――藍山栞に対してのことだ。
周囲の連中が色気づき始めていた中学の頃。「女なんて、何がいいんだ」とは、西の口癖であった。
そんな西が今初めて、藍山栞という異性を意識している。それが恋愛感情だと仮定して。この西をしても、やはり戸惑いを感じてのことなのか。
俺は不意にその辺りを、質したくなった。
「話を蒸し返すようで悪いが、お前――藍山のこと、どう思ってる?」
「何故、お前がそれを気にする?」
「先に訊いたのは――俺だな」
西はチッと舌打ちをして、それからこう答えた。
「アイツ、クラスの誰とも関わろうとしない。だから少し気にかけた。俺は一応、クラスの委員長なんてやってるからな。初めは、それだけのこと。それが今は、少しだけ事情が変わってきた。そんな処だ」
「お前にしては、はっきり言わないんだな」
「五月蠅せえよ。それで――お前がそれを気にする理由を言え」
「俺が藍山に、興味があるから――と、言ったら」
「なんだと! お前には赤緒が――」
と、言いかけて西は言葉を止めた。それから、ふっと笑うと――
「――まあそれは、お前の勝手か。だが俺は、負けるつもりなど全くないが」
何時ものような自信を顔に携え、そう言い切る。
その様子を眺め――
「……」
一体、何がしたかった? 俺は思わず、そう自問。
ともかく藍山の件については、西を焚き付ける結果となったのは確からしいが……。
それはさっきまで俺と話していた――藍山栞に対してのことだ。
周囲の連中が色気づき始めていた中学の頃。「女なんて、何がいいんだ」とは、西の口癖であった。
そんな西が今初めて、藍山栞という異性を意識している。それが恋愛感情だと仮定して。この西をしても、やはり戸惑いを感じてのことなのか。
俺は不意にその辺りを、質したくなった。
「話を蒸し返すようで悪いが、お前――藍山のこと、どう思ってる?」
「何故、お前がそれを気にする?」
「先に訊いたのは――俺だな」
西はチッと舌打ちをして、それからこう答えた。
「アイツ、クラスの誰とも関わろうとしない。だから少し気にかけた。俺は一応、クラスの委員長なんてやってるからな。初めは、それだけのこと。それが今は、少しだけ事情が変わってきた。そんな処だ」
「お前にしては、はっきり言わないんだな」
「五月蠅せえよ。それで――お前がそれを気にする理由を言え」
「俺が藍山に、興味があるから――と、言ったら」
「なんだと! お前には赤緒が――」
と、言いかけて西は言葉を止めた。それから、ふっと笑うと――
「――まあそれは、お前の勝手か。だが俺は、負けるつもりなど全くないが」
何時ものような自信を顔に携え、そう言い切る。
その様子を眺め――
「……」
一体、何がしたかった? 俺は思わず、そう自問。
ともかく藍山の件については、西を焚き付ける結果となったのは確からしいが……。