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クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
俺は今、父親の所有する駅前の賃貸マンションで、一人暮らしをしていた。俺が強く望んでのことだ。
こんな風に言えば、我儘なドラ息子と思われるだろう。それは仕方ない。俺には、それを否定するつもりはなかった。
だが一つだけ、言い訳をさせてもらう。俺は我儘を通した訳ではなく、父親と取引をしているということを……。
あるきっかけがあり、俺は期せずして父親の『弱み』を握った。その結果として俺は、父親に対して大きな失望を抱くこととなっている。
俺はその『弱み』を盾にして、家を出ることを父親に迫った。もう同じ家で、顔を見ているのも嫌だったから……。
その時に俺が出した条件は二つ。つまり俺が家を出ること以外に、もう一つある。
だがそれは、俺の口からは言えない。それこそが『弱み』に深く関わることであり、『秘密』であるからこそ父親は俺の条件を呑んでいたからだ。
改めて話を連ねてみれば、俺自身がろくな奴でないことが知れる。父親に失望したなんて言いながら、俺はちゃっかりとその財力の傘の下にいるのだ。
まあ、それもガキの特権。俺はそうやって、開き直ることにしていた。何れは俺も大人になる。それまでのこと――そう思って。
こんな風に言えば、我儘なドラ息子と思われるだろう。それは仕方ない。俺には、それを否定するつもりはなかった。
だが一つだけ、言い訳をさせてもらう。俺は我儘を通した訳ではなく、父親と取引をしているということを……。
あるきっかけがあり、俺は期せずして父親の『弱み』を握った。その結果として俺は、父親に対して大きな失望を抱くこととなっている。
俺はその『弱み』を盾にして、家を出ることを父親に迫った。もう同じ家で、顔を見ているのも嫌だったから……。
その時に俺が出した条件は二つ。つまり俺が家を出ること以外に、もう一つある。
だがそれは、俺の口からは言えない。それこそが『弱み』に深く関わることであり、『秘密』であるからこそ父親は俺の条件を呑んでいたからだ。
改めて話を連ねてみれば、俺自身がろくな奴でないことが知れる。父親に失望したなんて言いながら、俺はちゃっかりとその財力の傘の下にいるのだ。
まあ、それもガキの特権。俺はそうやって、開き直ることにしていた。何れは俺も大人になる。それまでのこと――そう思って。