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クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
長々と詰まらないことを語ってしまった。当面、俺が言っておきたいのは、マンションに一人暮らしをしている、ということくらいだ。
ともかく、今の礼華には支えが必要。そして仮初めであっても、それを支えるのは俺しかいなかった。
そんな時には通常、俺は礼華を自分の部屋へと連れて行くことになる。
しかし、この日は少し様子が違った。
「今日は――家に来て」
「お前の? だけど、それは――」
「平気よ」
困惑気味の俺に、礼華はそう言った。
「……」
俺は何となく気が進まないまま、礼華の家へと向かう。
街中を離れて約2キロ歩いて辿り着く、淋しげで寂れた場所。そこに何棟も建ち並ぶ平屋建ての同一の家屋――その手前から、三番目。
築二十年の市営住宅。それが赤緒礼華の住む家だった。
「どうぞ」
鍵のかかっていないドアを無造作に開き、礼華が俺を中に誘う。
「礼華か……」
玄関からすぐの居間で、振り向いてこちらを見たのは、礼華の父親だった。
「どうも……」
俺がそう頭を下げると――
「せ、瀬山さん、とこの……!?」
礼華の父親は、ギョッとして俺の顔を眺めていた。
ともかく、今の礼華には支えが必要。そして仮初めであっても、それを支えるのは俺しかいなかった。
そんな時には通常、俺は礼華を自分の部屋へと連れて行くことになる。
しかし、この日は少し様子が違った。
「今日は――家に来て」
「お前の? だけど、それは――」
「平気よ」
困惑気味の俺に、礼華はそう言った。
「……」
俺は何となく気が進まないまま、礼華の家へと向かう。
街中を離れて約2キロ歩いて辿り着く、淋しげで寂れた場所。そこに何棟も建ち並ぶ平屋建ての同一の家屋――その手前から、三番目。
築二十年の市営住宅。それが赤緒礼華の住む家だった。
「どうぞ」
鍵のかかっていないドアを無造作に開き、礼華が俺を中に誘う。
「礼華か……」
玄関からすぐの居間で、振り向いてこちらを見たのは、礼華の父親だった。
「どうも……」
俺がそう頭を下げると――
「せ、瀬山さん、とこの……!?」
礼華の父親は、ギョッとして俺の顔を眺めていた。