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クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
礼華の部屋には、とにかく何もなかった。服だったり化粧道具だったり、自分を飾る為のもの以外は、ほぼ何もないと言っても大袈裟ではなかった。
だからそこで時間を過ごそうと思えば、礼華と話をするしかない。
だが――
「……」
「……」
黙って横に座る礼華に、俺は話しかける話題がなかった。否、俺として礼華に訊ねたいことが、ない訳ではない。しかしそれらは、山村のことであり藍山のことであり、何れも今の礼華に聞かせるべき話ではなかった。
そんな二人の間にも、ゆっくりと時間は流れている。空腹を覚えた俺の身体が、ぐうっと情けない音を立てたのも、その証拠だった。
礼華はそんな俺の為に、宅配のピザを頼み。俺たちは一枚のピザを、分け合って食した。夜中になるまでに、俺たちがしたことと言えば、たったのそれだけ。
「……」
礼華は自分の膝を抱えて、ひたすらベッドの上に佇んでいた。
恐らく――礼華は俺を求めている。だが同時に、俺が礼華に手を伸ばさないことも、十分に理解していた。
だから、この長い時間は何時も無駄。俺がこの時間を、無駄にしていた。
そして、礼華は諦める。諦めて、自ら行動を始めた。
突如としてスッと立ち上がると、礼華は服を脱ぎ始める。
だからそこで時間を過ごそうと思えば、礼華と話をするしかない。
だが――
「……」
「……」
黙って横に座る礼華に、俺は話しかける話題がなかった。否、俺として礼華に訊ねたいことが、ない訳ではない。しかしそれらは、山村のことであり藍山のことであり、何れも今の礼華に聞かせるべき話ではなかった。
そんな二人の間にも、ゆっくりと時間は流れている。空腹を覚えた俺の身体が、ぐうっと情けない音を立てたのも、その証拠だった。
礼華はそんな俺の為に、宅配のピザを頼み。俺たちは一枚のピザを、分け合って食した。夜中になるまでに、俺たちがしたことと言えば、たったのそれだけ。
「……」
礼華は自分の膝を抱えて、ひたすらベッドの上に佇んでいた。
恐らく――礼華は俺を求めている。だが同時に、俺が礼華に手を伸ばさないことも、十分に理解していた。
だから、この長い時間は何時も無駄。俺がこの時間を、無駄にしていた。
そして、礼華は諦める。諦めて、自ら行動を始めた。
突如としてスッと立ち上がると、礼華は服を脱ぎ始める。