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第8章 ウそツき 【瀬山宗助】

　礼華は淡々として、身に纏っているものを一枚づつ――そして、一切の躊躇を見せずに、全裸になった。

　そして――

「瀬山――見て」

　と、胸を覆うふわっとした髪を後ろに払いながら、正面に立って俺に言う。

　血管の浮き上がるような白い肌。細くて流れるような凹凸のライン。

　礼華のその身体は、誰が見ても――

「綺麗だ」

　――と、そう言うに迷いはないものだった。

「……」

　礼華は俺の言葉を無言で受け止めると、ベッドの上にその見事な裸体を横たえる。

　そして、じっと天井を見上げながら、礼華が用いるのは――右手と左手。

　それらを俄かにじっくりと――自らの肉体へと、這わせ始めた。

「……」

　俺はベッドの脇に座したまま、その行為を備に見守ってゆく、だけ。