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クラス ×イト
第8章 ウそツき 【瀬山宗助】
「ああ……いやあ……」
自身の淫らな姿を見せつけ、俺を見つめた礼華の瞳は満足と恥辱の狭間で揺れながら、薄らと涙を滲ませている。
脈打つ身体と激しい呼吸が、胸に置いた俺の手にその昂りの余韻を伝えていた。
この一瞬の礼華の顔は、何処までも純真。誰がどう感じたとしても、俺の目は間違いなくそう映している。
否、俺だけはそれを疑ってはならなかった。
「礼華は――綺麗だな」
俺は再びそう言って――
「……」
礼華はそっと瞳を閉じると、それを自らの中で咀嚼してゆく。
やがて呼吸を鎮めると、礼華は言った。
「瀬山――手、もういいわ」
「ああ、そうだな」
俺が胸に触れた手を引くと、礼華はゆっくりと身体を起こす。
そしてベッドから立つと、部屋の片隅にある照明のスイッチに手を伸ばした。
パチッ――と、音がして周囲は暗闇へと変わる。
「……」
真っ暗になった部屋の中。ベッドに佇む俺は、礼華が俺の前に立つ気配を察した。
すっと伸びた両手が、俺の頬を優しく撫ぜる。それが首筋を伝い、襟元のボタンを外し始めた。
「礼華――今日は、もう」
「……」
言葉に応じる様子もなく、闇の中で蠢く手は俺の衣服を粛々と剥ぎ取ってゆく――。