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クラス ×イト
第9章 けつダン 【去河要二】
「親父の体調次第で、まだどうなるかわかんねえからな。お前と三生には話したけど、一応クラスの連中には、内緒にしといてくれよ」
俺はそう言って、英太との話を終えた。
正式に休学するのは来週から。だが担任の北村には、もう明日から学校に来ないことを既に伝えてある。せめて親父が入院する前に、できるだけ仕事を引き継いでおきたかったからだ。
だから事情は伏せるにしても、俺の休学のことは明日にも知れるはず。その前に英太たちには――ずっとそうと思ってたんだが、結局ギリギリだったな。それでも何とか話せて、俺はホッとしてる。
まあ、できれば……もう一人。調度、俺がそんな風に思ってた時だった。
「去河くん」
「――!?」
校舎に入った処でその顔を見て、俺の心臓は飛び出しそうになる。
ヤベエよ……もうちょっとで、親父より先に逝くとこだった。俺はバクバクと破裂しそうな胸を、グッと抑える。だが、俺がこうなっちまうのも、無理はなかった。
そこで俺を呼び止めたのが――佐倉(瑞穂)先生だったから……。
「お、俺に……なにか?」
緊張して思わず裏返しながら、俺がそう訊くと――。
「北村先生から、聞いたの。それで私――とても、気になって」
佐倉先生は、不安げな顔を俺に向けてる。
「……」
その様子を見た俺は――先週、保健室で話した時のことを、ふと思い浮べていた。