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クラス ×イト
第9章 けつダン 【去河要二】
その発端は、先週の歴史の授業の時のことだった。
クラスの男子たちが、佐倉先生を困らせてやがったから――。それにムカついた俺は、そのバカな連中を説教してやろうとして――最初は、それだけのつもりだったと思う。
だが、急にからかいの矛先が俺に向かってきて、それで俺は焦りとか怒りとか、感情ってやつが何かごちゃ混ぜになっていたんだ。
「俺が先生を好きだったら――なにか、悪いのかよっ!」
ともかく、その結果――俺は佐倉先生に、告白じみたことをしてしまってる。
その際に、名誉の負傷(?)を負った俺は、保健室へ。そこで藍山や英太と話してたら、次にそこに訪れたのが、佐倉先生だった。
「英太――お前、もう行けよ」
「あ! そうだ。もう掃除の時間かぁ」
奴なりに気を回したつもりらしいが、それは明らかに空々しいセリフだった。それでも英太が退出すると、保健室には俺と先生の二人きりになった。
授業中のことは、はっきり言ってドサクサ。俺も勢いで言ったことだし、それを有耶無耶にしたい佐倉先生の判断も別に仕方ないんだって、頭のどこかではそう思っていた。
生徒と教師なんて――その前に、藍山に言われたことにしたって、俺は十分にわかってたんだ。
だがそれでも、俺はそのドサクサな気持ちを無駄にしたくなかった。俺はもうガキじゃないんだって――その時にはもう、『決断』をしていたから……。
「去河くん……?」
二人だけになって、佐倉先生は戸惑った顔してた。
その顔を睨みつけるようにして、俺は改めて言ってやったんだ。
「俺さ――佐倉先生が、本気で好きなんだ」
クラスの男子たちが、佐倉先生を困らせてやがったから――。それにムカついた俺は、そのバカな連中を説教してやろうとして――最初は、それだけのつもりだったと思う。
だが、急にからかいの矛先が俺に向かってきて、それで俺は焦りとか怒りとか、感情ってやつが何かごちゃ混ぜになっていたんだ。
「俺が先生を好きだったら――なにか、悪いのかよっ!」
ともかく、その結果――俺は佐倉先生に、告白じみたことをしてしまってる。
その際に、名誉の負傷(?)を負った俺は、保健室へ。そこで藍山や英太と話してたら、次にそこに訪れたのが、佐倉先生だった。
「英太――お前、もう行けよ」
「あ! そうだ。もう掃除の時間かぁ」
奴なりに気を回したつもりらしいが、それは明らかに空々しいセリフだった。それでも英太が退出すると、保健室には俺と先生の二人きりになった。
授業中のことは、はっきり言ってドサクサ。俺も勢いで言ったことだし、それを有耶無耶にしたい佐倉先生の判断も別に仕方ないんだって、頭のどこかではそう思っていた。
生徒と教師なんて――その前に、藍山に言われたことにしたって、俺は十分にわかってたんだ。
だがそれでも、俺はそのドサクサな気持ちを無駄にしたくなかった。俺はもうガキじゃないんだって――その時にはもう、『決断』をしていたから……。
「去河くん……?」
二人だけになって、佐倉先生は戸惑った顔してた。
その顔を睨みつけるようにして、俺は改めて言ってやったんだ。
「俺さ――佐倉先生が、本気で好きなんだ」