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クラス ×イト
第2章 だメンず 【乾英太1】
 何となく自己嫌悪を引き摺りながら、トボトボと教室へ戻って行く僕。

 この後――その教室で起こることを、まだ知らずに。


 それは、教室の前の廊下で――

「――!」

 クラスの男子とすれ違った時に、既に始まっていたのだと思う。

 僕には目もくれずに、彼――瀬山くんは、足早に通り過ぎて行った。

「……」

 僕は特に気にすることもなく、何気にその背中を見送る。

 すると、教室の中から――


『今の話、聞いてたの?』


 と、女子の声が響く。

 それに続き――


『あの……僕は……』


 微かにそう聴こえたのは、確かに三生の声だった。

 どうしたんだろ?

 僕は深く考える前に――

 ガラッ――と、教室のドアを開いている。

 すると、その瞬間――


「――!」

「あっ……英太くん」

 教室の中で話していた二人が、同時に僕の方を見た。

 その一人は、もちろん三生で――。


 もう一人は、『女帝』――赤緒礼華だった。
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