この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第2章 だメンず 【乾英太1】
僕は赤緒さんの視線を避けるようにして、三生の顔を見て訊ねた。
「ど、どうかしたの?」
すると三生は、すがるような顔をして僕に言う。
「僕、ここに座ったまま、英太くん待っていただけなんだ。そしたら、赤緒さんたちが入って来て……僕のこと気がつかなかったみたいで……」
「それで……?」
「だから、悪気があったわけじゃなくて……ただ、声をかけられなかったから……ホントにそれだけなんだ」
「……?」
三生はとても狼狽えていて。どういうことなのか、僕にははっきりとはわからない。
でも、僕は少し考えて――たぶん、こんな感じなのだと理解する。
三生は窓際の床に座って、僕や要二を待っていた。そこに入って来た赤緒さんは、どうやら三生には気づかなかったみたい。
そこで彼女は、何か話をした。その話し相手は、さっき教室から出て行った瀬山くん――なのだろう。
何の話かは知らないけど、それはきっと聞かれては困る話。それは赤緒さんの態度に、よく表れていた。
そして、僕と三生のやり取りを黙って聞いた後――赤緒さんが、ついにその口を開く。
「悪気がないとか――どうでもいいんだけど、ね」
彼女は華やかな髪を手を弄りながら、気怠そうにそう切り出していた。
「ど、どうかしたの?」
すると三生は、すがるような顔をして僕に言う。
「僕、ここに座ったまま、英太くん待っていただけなんだ。そしたら、赤緒さんたちが入って来て……僕のこと気がつかなかったみたいで……」
「それで……?」
「だから、悪気があったわけじゃなくて……ただ、声をかけられなかったから……ホントにそれだけなんだ」
「……?」
三生はとても狼狽えていて。どういうことなのか、僕にははっきりとはわからない。
でも、僕は少し考えて――たぶん、こんな感じなのだと理解する。
三生は窓際の床に座って、僕や要二を待っていた。そこに入って来た赤緒さんは、どうやら三生には気づかなかったみたい。
そこで彼女は、何か話をした。その話し相手は、さっき教室から出て行った瀬山くん――なのだろう。
何の話かは知らないけど、それはきっと聞かれては困る話。それは赤緒さんの態度に、よく表れていた。
そして、僕と三生のやり取りを黙って聞いた後――赤緒さんが、ついにその口を開く。
「悪気がないとか――どうでもいいんだけど、ね」
彼女は華やかな髪を手を弄りながら、気怠そうにそう切り出していた。