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クラス ×イト
第9章 けつダン 【去河要二】
「へ、へえ……やっぱり、そうか。そうだよなあ」
「去河くん。あのね――」
「もう、いいって。先生も、さっさと忘れてくれ」
「そんなこと――」
「あ、平気だよ。誰にも言わねえし。先生が……その……北村を好きだって……こと」
佐倉先生は、ちゃんと胸の内を明かしてくれてる。
その結果なんて、わかりきってたはずだろ。だから佐倉先生の前では、みっともない面を見せたくなかったんだ。だがカラ元気で押し通そうとして、その結果は自爆。
その途端、一気にショックが押し寄せて来てやがった。
そうなっちまえば、もう――。
「あ、去河くん――!」
せいぜい泣き出す前に、逃亡するしかねえって。俺は先生に背を向けて、その場から全力で駆け出していた。
偉そうに言った割には――やっぱ、俺もまだまだガキだった。