この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第9章 けつダン 【去河要二】
こんな時に限って、空気を読まねえ奴に出くわすもんだから、それこそ最悪だ。
「ヨウ、去河」
「――!」
階段を昇ろうとする俺に声をかけてきたのは、同じクラスの――佐川琢己(さがわ たくみ)。
佐川はニヤニヤとしながら、俺の行く手を遮ってやがる。
「今、お前――佐倉先生と話してたよな」
「だから、どうした。お前には、関係ねーだろ」
「だって、気になるじゃん? なにせ、お前はさあ――ククク」
そう言いながら佐川は、下品に笑ってる。そんな無神経で無遠慮なコイツのことが、俺は前々から大嫌いだった。
例の歴史の授業の後にも、佐川は何かと俺を冷かしていやがる。そう言えばあの時、最初に佐倉先生に絡んでいたのも、このバカだったな、と思い出す。普段なら相手にするのも、アホらしいが……。
この時の気分も手伝い、俺は無性に佐川に腹が立っちまったんだ。
「邪魔だから、そこを退けよ」
俺は不意に、佐川の身体をドンと小突く。
それが、きっかけとなり――
「なにしてんだ。ああっ、このデブ!」
「なんだとぉ、この下衆野郎がっ!」
俺たちは、取っ組み合いの喧嘩を始めていた。
「どうしたの!? 二人とも、止めなさい!」
そう言って仲裁に入った佐倉先生にも、構うこともできず――。
「舐めてんじゃねーぞ! このクズ!」
俺は哀れで無様なまでに、怒りをぶちまけて暴れまくっていた。
「ヨウ、去河」
「――!」
階段を昇ろうとする俺に声をかけてきたのは、同じクラスの――佐川琢己(さがわ たくみ)。
佐川はニヤニヤとしながら、俺の行く手を遮ってやがる。
「今、お前――佐倉先生と話してたよな」
「だから、どうした。お前には、関係ねーだろ」
「だって、気になるじゃん? なにせ、お前はさあ――ククク」
そう言いながら佐川は、下品に笑ってる。そんな無神経で無遠慮なコイツのことが、俺は前々から大嫌いだった。
例の歴史の授業の後にも、佐川は何かと俺を冷かしていやがる。そう言えばあの時、最初に佐倉先生に絡んでいたのも、このバカだったな、と思い出す。普段なら相手にするのも、アホらしいが……。
この時の気分も手伝い、俺は無性に佐川に腹が立っちまったんだ。
「邪魔だから、そこを退けよ」
俺は不意に、佐川の身体をドンと小突く。
それが、きっかけとなり――
「なにしてんだ。ああっ、このデブ!」
「なんだとぉ、この下衆野郎がっ!」
俺たちは、取っ組み合いの喧嘩を始めていた。
「どうしたの!? 二人とも、止めなさい!」
そう言って仲裁に入った佐倉先生にも、構うこともできず――。
「舐めてんじゃねーぞ! このクズ!」
俺は哀れで無様なまでに、怒りをぶちまけて暴れまくっていた。