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クラス ×イト
第9章 けつダン 【去河要二】
その放課後、職員室にて――。
「――それで、何だって喧嘩なんかしたんだ?」
クラス担任の北村慶吾は、そう言って俺たちの面を交互に眺めた。
椅子に座る北村の前に並び立つのは、俺と佐川。俺たち二人の顔面は、痛々しく腫れ上がっている。
その北村の問いかけに、素早く反応したのは佐川だった。
「俺は応戦しただけだよ。コイツがいきなり、飛びかかってきてさー」
「……」
くそっ……。俺はグッと拳を握るが――
「本当なのか、去河?」
「ああ……そうだよ」
北村には、そう答えるしかねえだろ。確かに先に手を出したのは、俺の方だったし……。
「理由は――なんだった?」
「そ、それは……」
北村の隣りのデスクには、佐倉先生。今も心配そうな顔で、こっちの方をチラチラと見ていた。その上、この俺を問い詰めるのが北村ときてやがる訳で……。
言えるわけがねえ……。俺は押し黙るしかなかった。
すると、そんな俺を横目に、佐川のバカがその無責任な口を開く。
「よくわかんねーけど。もしかすると原因は、さく――」
その先を言わせまいと、俺は大声で叫んでいた。
「全部、俺が悪かったんだ!」
その瞬間、職員室にいる先生たちが、一斉に俺の方を向く。その周囲の雰囲気を察し、隣で佐川の奴が薄らと笑みを浮かべた。
それでも、仕方なかった。黙って見守っていた北村に、俺は続けてこう話してゆく。
「別に佐川は……悪く、ねえ。俺が一方的に、因縁をふっかけちまったんだ。だから、先生。罰なら、俺一人が受けるよ」
「――それで、何だって喧嘩なんかしたんだ?」
クラス担任の北村慶吾は、そう言って俺たちの面を交互に眺めた。
椅子に座る北村の前に並び立つのは、俺と佐川。俺たち二人の顔面は、痛々しく腫れ上がっている。
その北村の問いかけに、素早く反応したのは佐川だった。
「俺は応戦しただけだよ。コイツがいきなり、飛びかかってきてさー」
「……」
くそっ……。俺はグッと拳を握るが――
「本当なのか、去河?」
「ああ……そうだよ」
北村には、そう答えるしかねえだろ。確かに先に手を出したのは、俺の方だったし……。
「理由は――なんだった?」
「そ、それは……」
北村の隣りのデスクには、佐倉先生。今も心配そうな顔で、こっちの方をチラチラと見ていた。その上、この俺を問い詰めるのが北村ときてやがる訳で……。
言えるわけがねえ……。俺は押し黙るしかなかった。
すると、そんな俺を横目に、佐川のバカがその無責任な口を開く。
「よくわかんねーけど。もしかすると原因は、さく――」
その先を言わせまいと、俺は大声で叫んでいた。
「全部、俺が悪かったんだ!」
その瞬間、職員室にいる先生たちが、一斉に俺の方を向く。その周囲の雰囲気を察し、隣で佐川の奴が薄らと笑みを浮かべた。
それでも、仕方なかった。黙って見守っていた北村に、俺は続けてこう話してゆく。
「別に佐川は……悪く、ねえ。俺が一方的に、因縁をふっかけちまったんだ。だから、先生。罰なら、俺一人が受けるよ」