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クラス ×イト
第9章 けつダン 【去河要二】
真剣に話す俺を見て、何故か北村はふっと笑みを漏らした。だがそれは、俺を馬鹿にしているのではなく、何とも涼しげな表情。
たぶん今の俺が真似できない、大人の男の顔だと、ふとそんな風に感じた。
「わかったよ、去河。お前はちゃんと謝っているし、佐川も一応は納得したしたらしいからな。この件は、俺の方で収めることにする」
「先生……」
「それとな――去河。これからお前が大変だってことは、俺も十分に理解しているつもりだ。それでも学校に戻ることは、ちゃんと頭の片隅に置いておけよ。普段は適当な教師だと思われているかもしれんが、これでも一応はお前の担任なんだ。俺はお前がこの学校を卒業することを、諦めたりしてないからな」
「……」
担任とクラスのいち生徒という立場なら、その話は素直に受け取れていたんだろうな。
だが北村がそんな男だから、佐倉先生は――なんて、つい余計なことを考えたりしちまってる。
そんな気持ちが、つい俺の言葉にも滲んだ。
「わかったよ。だから先生も……頼むな」
「去河……?」
当然、北村にはまだ俺の意図は伝わらない。
だが何れ――その先は佐倉先生から、伝えられるはずだ。
たぶん今の俺が真似できない、大人の男の顔だと、ふとそんな風に感じた。
「わかったよ、去河。お前はちゃんと謝っているし、佐川も一応は納得したしたらしいからな。この件は、俺の方で収めることにする」
「先生……」
「それとな――去河。これからお前が大変だってことは、俺も十分に理解しているつもりだ。それでも学校に戻ることは、ちゃんと頭の片隅に置いておけよ。普段は適当な教師だと思われているかもしれんが、これでも一応はお前の担任なんだ。俺はお前がこの学校を卒業することを、諦めたりしてないからな」
「……」
担任とクラスのいち生徒という立場なら、その話は素直に受け取れていたんだろうな。
だが北村がそんな男だから、佐倉先生は――なんて、つい余計なことを考えたりしちまってる。
そんな気持ちが、つい俺の言葉にも滲んだ。
「わかったよ。だから先生も……頼むな」
「去河……?」
当然、北村にはまだ俺の意図は伝わらない。
だが何れ――その先は佐倉先生から、伝えられるはずだ。