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クラス ×イト
第2章 だメンず 【乾英太1】
「――つまり、聞いてたってことなんでしょ?」

 赤緒さんの鋭い視線が、三生へと注がれた。

「あ……そ、それは……」

 三生は口籠り、細身の体をふるふると震わせている。

「どうなの!」

 赤緒さんの、その一喝に――

「ご、ごめん……」

 三生はビクッとして、そう言った。

 つまりそれは、話を聞いていたことを、認めたということ。それを受けると――

「そう――」

 赤緒さんはツカツカと歩を進め、三生の前に立つ。その迫力に気圧されたように、只でさえ色白の三生の顔が蒼白に変わる。

 窓際の壁に背をくっつけて、追い込まれるように行き場を失う三生は――

「だ、誰にも言わないよ。や、約束するからっ!」

 怯えながらも、それは必死な訴えだった。

「信じてあげたいけど。結局それって、そっちの事情でしょ。だから、こっちとしては――」

「な、なに……?」

 赤緒さんは三生に顔を近づけ、低い声で言う。

「ちゃんと口止めしておかないと、安心できなってこと」


「……」

 僕はドアの処で立ち竦み、二人の様子を見ている。

 すると、赤緒さんは振り向き、僕に向けてこう命じた。


「ねえ――誰も来ないように、そこで見張っててくれる」

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