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クラス ×イト
第9章 けつダン 【去河要二】
佐倉先生は遠い目をしながら、俺に経緯を話してくれた。
「去河くんの真剣な気持ちに触れて、私とても勇気をもらえた気がしてた。だから今まで秘めていた想いを、北村先生に伝えることにしたの。だけど、結局は……」
「俺が喧嘩なんかして、騒ぎを起こしたから……。先生はあの時、俺を庇おうとしてくれて、それを北村が変に勘ぐったとか?」
「違うよ。それは関係ないの。それに私の気持ちには、北村先生も何となく気がついていたみたい……」
「それで、気持ちを伝えて――北村は、なんて?」
「『今のクラスの生徒たちが卒業するまで、そんな気持ちになれない』――と、そう言われたわ」
「なんだよ……それ」
まるで保健室の時の俺と、同じじゃねえかよ。北村が真面に相手にしてないと感じて、俺は無性に胸がムカムカとしていた。
「北村先生からすれば、迷惑だったのよね……」
「そんなこと、あり得ねえって」
俺の本音が、思わず口をついた。
俺からすれば、全く納得がいかねえ。俺が好きになった――こんなにも綺麗な、佐倉先生。その人に好きと言われて、そんな風に断るなんて……やっぱ、あり得ねえって思うしかねえだろ。
だが、その後の佐倉先生の話は――
「その後で知ったの。北村先生が学年主任の先生に、進言したらしいわ。私を副担任から外すようにって……」
「なんだって……!?」
更に納得がいかず、俺は怒りさえ覚え始めた。
「去河くんの真剣な気持ちに触れて、私とても勇気をもらえた気がしてた。だから今まで秘めていた想いを、北村先生に伝えることにしたの。だけど、結局は……」
「俺が喧嘩なんかして、騒ぎを起こしたから……。先生はあの時、俺を庇おうとしてくれて、それを北村が変に勘ぐったとか?」
「違うよ。それは関係ないの。それに私の気持ちには、北村先生も何となく気がついていたみたい……」
「それで、気持ちを伝えて――北村は、なんて?」
「『今のクラスの生徒たちが卒業するまで、そんな気持ちになれない』――と、そう言われたわ」
「なんだよ……それ」
まるで保健室の時の俺と、同じじゃねえかよ。北村が真面に相手にしてないと感じて、俺は無性に胸がムカムカとしていた。
「北村先生からすれば、迷惑だったのよね……」
「そんなこと、あり得ねえって」
俺の本音が、思わず口をついた。
俺からすれば、全く納得がいかねえ。俺が好きになった――こんなにも綺麗な、佐倉先生。その人に好きと言われて、そんな風に断るなんて……やっぱ、あり得ねえって思うしかねえだろ。
だが、その後の佐倉先生の話は――
「その後で知ったの。北村先生が学年主任の先生に、進言したらしいわ。私を副担任から外すようにって……」
「なんだって……!?」
更に納得がいかず、俺は怒りさえ覚え始めた。