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クラス ×イト
第9章 けつダン 【去河要二】
興奮気味な俺に反して、佐倉先生は淡々と話を続ける。
「ほら――前にも授業中に、生徒たちが言ってたじゃない。私と北村先生の噂。その時点では音も葉もないことだけど、北村先生はその噂を気にしてたらしいの。そんな矢先に、私が気持ちを伝えたりしたから、さぞ困ったことでしょうね。ホント、私って馬鹿みたい……」
「だけどよ。それと、副担任とは関係ねーだろ?」
「もちろん、表向きの理由は――新任の私に、負担をかけたくないから――って、そんな感じみたい。その進言は受け入れられた訳ではないけれど。北村先生の考えてることは、嫌でもわかってしまうから……」
「先生……」
「ウフフ――学校で私、どんな顔してればいいの。そんなことさえ、わからなくなっちゃった」
佐倉先生は自虐的に笑い、グラスのビールを一気に飲み干した。
「ほら――前にも授業中に、生徒たちが言ってたじゃない。私と北村先生の噂。その時点では音も葉もないことだけど、北村先生はその噂を気にしてたらしいの。そんな矢先に、私が気持ちを伝えたりしたから、さぞ困ったことでしょうね。ホント、私って馬鹿みたい……」
「だけどよ。それと、副担任とは関係ねーだろ?」
「もちろん、表向きの理由は――新任の私に、負担をかけたくないから――って、そんな感じみたい。その進言は受け入れられた訳ではないけれど。北村先生の考えてることは、嫌でもわかってしまうから……」
「先生……」
「ウフフ――学校で私、どんな顔してればいいの。そんなことさえ、わからなくなっちゃった」
佐倉先生は自虐的に笑い、グラスのビールを一気に飲み干した。