この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第9章 けつダン 【去河要二】
頻りにフラつく佐倉先生。その腕を引きながら、俺は夜道を歩いていた。
「先生、どっちだよ」
「もうすぐ……。この先の、アパートだから」
やれやれ、やっと着いたか……。俺はふっと息をついた。こんな状態の先生を連れて、もう既に三十分近く歩き続けたから、俺もヘロヘロに疲れている。
最も佐倉先生と一緒にいるという、心的な負担もかなりでかい。脈拍数だけなら、どんな激しい運動にも匹敵するんじゃねえの……。
「このアパート?」
「うん。そうだよ」
新築っぽい小綺麗なアパート。佐倉先生の部屋は、その一階にあった。
何とか無事に送り届け――
「じゃあ、俺は……これで」
ドアの外で、俺はそう告げる。
「ごめんなさい。すっかり、迷惑をかけちゃったね」
部屋の中から、佐倉先生は少し恥ずかしそうな顔。どうやら、少しは酔いが覚めたようだった。
「その……あんま、落ち込むなよな」
「ありがとう……話を聞いてもらえて、私も少しスッキリしたみたい」
と、先生は穏やかに微笑む。
一つ正直に言うなら、俺の中に妙な期待があったのは間違いない。だが当然、そんなことが実際にあるはずもねえ……。
そんな自分に少し呆れ、俺が帰ろうとした時だった。
「じゃあな、先生。俺、帰――る!」
突如として俺の手を掴み、佐倉先生は俺を部屋の中に引き入れる。
それと同時に――
えっ――!?
佐倉先生の顔が、俺のすぐ近くにあって……。というか、これは……!
ちゅ……くちゅ。
俺のファーストキスってやつは、アルコールとニンニクの香り……と、共に。
「先生、どっちだよ」
「もうすぐ……。この先の、アパートだから」
やれやれ、やっと着いたか……。俺はふっと息をついた。こんな状態の先生を連れて、もう既に三十分近く歩き続けたから、俺もヘロヘロに疲れている。
最も佐倉先生と一緒にいるという、心的な負担もかなりでかい。脈拍数だけなら、どんな激しい運動にも匹敵するんじゃねえの……。
「このアパート?」
「うん。そうだよ」
新築っぽい小綺麗なアパート。佐倉先生の部屋は、その一階にあった。
何とか無事に送り届け――
「じゃあ、俺は……これで」
ドアの外で、俺はそう告げる。
「ごめんなさい。すっかり、迷惑をかけちゃったね」
部屋の中から、佐倉先生は少し恥ずかしそうな顔。どうやら、少しは酔いが覚めたようだった。
「その……あんま、落ち込むなよな」
「ありがとう……話を聞いてもらえて、私も少しスッキリしたみたい」
と、先生は穏やかに微笑む。
一つ正直に言うなら、俺の中に妙な期待があったのは間違いない。だが当然、そんなことが実際にあるはずもねえ……。
そんな自分に少し呆れ、俺が帰ろうとした時だった。
「じゃあな、先生。俺、帰――る!」
突如として俺の手を掴み、佐倉先生は俺を部屋の中に引き入れる。
それと同時に――
えっ――!?
佐倉先生の顔が、俺のすぐ近くにあって……。というか、これは……!
ちゅ……くちゅ。
俺のファーストキスってやつは、アルコールとニンニクの香り……と、共に。