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クラス ×イト
第2章 だメンず 【乾英太1】
「え……?」
戸惑っていた僕の返事を、赤緒さんは待たない。
彼女はまた僕に背を向けると、何故か立ち尽くす三生の足元にしゃがみ込んだ。
そして――
「な……!?」
呆然とする三生の腰の辺りに手を伸ばし、ズボンのベルトを外そうとしている。
「ちょ、ちょっと――待って!」
慌ててそれを止めようとする――三生。でも――
「動かないで」
そう言って見上げた、赤緒さんの瞳がその抵抗を制した。
まるで――肉食獣に牙を穿たれた、草食動物のように――三生の動きが止まる。
そして、僕が見守る先で――
――ずるり。
三生はズボンとそれにパンツまでも、膝下まで引き下ろされていた。
「……!」
僕は思わず、息を呑む。
赤緒さんの頭に隠れて、僕からは見えなかったけど。三生の下半身が顕わにされたのは、間違いなかった。
「あ……ああ……」
三生は恥ずかしさのあまり、顔を紅潮させ自然と声を洩らす。
だけど、そこに至っても。僕には赤緒さんが何をしようとしているの、まるでわかってはいない。
ううん――正直、頭を過ることはあった。
それでも――まさかって、そう思っている。
だけど――
赤緒さんは三生の腰に両手を置き、そして体制を前のめりにして――
その頭を前へ――。
「うっ……ああっ!」
その瞬間――それは、三生が発した声だった。
「……」
まさか……ホントに……?
僕は身体を硬直させたまま――。
ゆっくりと、前後する――赤緒さんの後頭部だけを、注視していた。