この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第2章 だメンず 【乾英太1】
目をギュッと瞑り、苦悶にも似た表情の三生。
「くっ……あ……あっ……」
長身のその身体は、徐々に前屈みになっていた。
差し出された両手は、赤緒さんの頭部を、掴もうとして掴めずにいて。
歯がゆさを覚えたまま、役を成さずに小刻みに震える。
そんな三生の反応の一切を介さずに、赤緒さんの頭はリズミカルに揺れて。
その一定の動きは容赦なく――それでいて、どこか冷めていた。
そして僕は――そこから奏でられる音を、耳にしている。
ちゅる――ちゅぷ――ちゅぱ――。
「……」
ホントに口で……してる。その微かで確実なイヤらしい音が、死角となっている僕にその事実を知らしめていた。
でも、何故そんなことを……? 赤緒さんの行為を不思議に感じながら、僕の心音は激しさを増す。
傍観者の僕にとってそれは、とても居心地が悪く心臓に悪い――長い時間。
だけど実際は、ほんの数十秒くらいだったみたい。
「ダメ! あ……ああっ、うう……あ……はぁ……」
三生は一段と激しく悶えて。立ってられないくらいに、膝はがくがくと笑う。
同時に赤緒さんは、前後の動きを停止させていた――。
その時、教室には――それまでに感じたことのない、どこか空虚な雰囲気が漂う。
僕は唖然と二人の姿を眺めながら――
「……」
その行為が終わったのだと、辛うじて悟っていた。
「くっ……あ……あっ……」
長身のその身体は、徐々に前屈みになっていた。
差し出された両手は、赤緒さんの頭部を、掴もうとして掴めずにいて。
歯がゆさを覚えたまま、役を成さずに小刻みに震える。
そんな三生の反応の一切を介さずに、赤緒さんの頭はリズミカルに揺れて。
その一定の動きは容赦なく――それでいて、どこか冷めていた。
そして僕は――そこから奏でられる音を、耳にしている。
ちゅる――ちゅぷ――ちゅぱ――。
「……」
ホントに口で……してる。その微かで確実なイヤらしい音が、死角となっている僕にその事実を知らしめていた。
でも、何故そんなことを……? 赤緒さんの行為を不思議に感じながら、僕の心音は激しさを増す。
傍観者の僕にとってそれは、とても居心地が悪く心臓に悪い――長い時間。
だけど実際は、ほんの数十秒くらいだったみたい。
「ダメ! あ……ああっ、うう……あ……はぁ……」
三生は一段と激しく悶えて。立ってられないくらいに、膝はがくがくと笑う。
同時に赤緒さんは、前後の動きを停止させていた――。
その時、教室には――それまでに感じたことのない、どこか空虚な雰囲気が漂う。
僕は唖然と二人の姿を眺めながら――
「……」
その行為が終わったのだと、辛うじて悟っていた。