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クラス ×イト
第10章 せッきン 【藍山栞2】
※ ※
それから数週間が、過ぎていた頃――。
「えー、それってホント?」
「隣のクラスの奴が、見たって。な、驚くだろ」
私の後ろの席で、ヒソヒソと話す声。その声の主は、松代さんと佐川くん。
「……」
私は自然とその会話に、耳を傾けていた。単にくだらない噂話ならば、気を裂く必要もない。けれど、その内容は少なからず、私の興味をそそっていたのだろう。
「次、歴史だよ。佐川――前みたく、本人に訊いて見なよ」
「バカ。いくら何でも、訊けるかよ。ホントだったら、シャレにならねーぞ」
チャイムが鳴ると、二人の会話はそこで終わった。
松代さんが言ってたように、続いての授業は歴史。教室の扉を開き、入って来たのは――佐倉瑞穂先生。
「……」
私は何時もよりも少しだけ関心を高めて、その姿に注目してゆく。