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クラス ×イト
第10章 せッきン 【藍山栞2】
その日の放課後――。
「……」
自分の中に珍しく、芽生えていた欲求。けれど、それを実行に移すのは、やはり難しいように感じる。
だから私は変わらずに、また一人で図書室に赴こうとしていた。
すると、教室を出た廊下で――
「図書室に行くなら、一緒に行こうぜ」
私の背後から聴こえたのは、西くんの声。私が彼を振り向くまでの間に、断る理由は見つけられそうもなかった。
けれど――
「――!」
振り返った私の目は、西くんの後方に彼の姿を見つける。それは自分でも、予期せぬ行動だった。
「ごめんなさい――」
と、気がつけば私は、その彼の元へと走り――
「――今日は、彼に用事があるから」
西くんにそう答え、私が思わず掴んでいたのは制服の袖。その時、私が見つけていたのは――乾英太だった。
「えっ……! ぼ……僕に!?」
私に制服を掴まれ、乾くんがギョッとしたように驚くのも無理もないこと。当然これは、私の咄嗟のでまかせに過ぎないのだから……。
だけど、それでも――私の小さな欲求に、端を発してのことだった。
「……」
自分の中に珍しく、芽生えていた欲求。けれど、それを実行に移すのは、やはり難しいように感じる。
だから私は変わらずに、また一人で図書室に赴こうとしていた。
すると、教室を出た廊下で――
「図書室に行くなら、一緒に行こうぜ」
私の背後から聴こえたのは、西くんの声。私が彼を振り向くまでの間に、断る理由は見つけられそうもなかった。
けれど――
「――!」
振り返った私の目は、西くんの後方に彼の姿を見つける。それは自分でも、予期せぬ行動だった。
「ごめんなさい――」
と、気がつけば私は、その彼の元へと走り――
「――今日は、彼に用事があるから」
西くんにそう答え、私が思わず掴んでいたのは制服の袖。その時、私が見つけていたのは――乾英太だった。
「えっ……! ぼ……僕に!?」
私に制服を掴まれ、乾くんがギョッとしたように驚くのも無理もないこと。当然これは、私の咄嗟のでまかせに過ぎないのだから……。
だけど、それでも――私の小さな欲求に、端を発してのことだった。