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クラス ×イト
第10章 せッきン 【藍山栞2】
 こぢんまりとした昔ながらの青果店には、色取り取りの野菜や果物がその軒先を賑わせている。

 その中で働く去河くんの姿は、教室でのイメージとはまるで違っていた。今も一人で訪れてるお年寄りのお客さんに愛想良く話しかけては、袋に詰めた野菜を手押しの籠に入れてあげたりしていて。

 去河くんのその変化は、きっと良い方向へと向いているのだと、私にそう思わせていた。

 話しかけるのも申し訳なく感じて、その様子を見守っていた――私たち二人、だけど。


「英太――?」

 直に去河くんが乾くんに気がつくと、一緒にいる私に少し驚いたようだった。

「どうも――お久しぶり」

 私が挨拶をすると、去河くんは小柄な乾くんの身体を捉え、私とやや距離を置く。そうしてから、何やらヒソヒソと話し始めた。

「……」

 やっぱり、二人は仲良しだ。私はそんな二人の姿を、ちょっぴり羨ましく感じていたのだろうか……。


「要二と話したいって――藍山さん、が」

「へ? 俺と――」

 そんな話し声が聴こえ、私を振り向く去河くん――。

「お店が終わってからでいいの――時間ある?」

 その顔を見ると、私はそう訊ねていた。
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