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クラス ×イト
第2章 だメンず 【乾英太1】
 それを終えて、赤緒さんが最初にしたこと――。


 ――ペッ!


 彼女は口の中のものを、床の上に勢いよく吐きつけた。

 唾液に混ざった白濁の液が、三生の足元に小さな溜まりとなる。

 そして、すぐさま――


 ――パシャ!


 いつの間にか取り出した携帯で、三生の股間の辺りを撮影した。


「な……なにを?」

 流石に非難するように、三生が訊くと――

 ゆっくりと立ち上がり、赤緒さんは言う。

「一応さ……今してあげたのは、黙っててくれるって前提でのことなの。言ってみれば、お礼の先渡しみたいな感じ? だけど――」

 その言葉の途中で、赤緒さんはギラッと三生を睨みつける。

「もし喋ったら――酷いことになるから」

「――!?」

「――わかったの?」

「あ……」

 迫られた三生は言葉を出せずに、引きつった顔でそれでも頷く。

 それを確認した後。赤緒さんは次いで視線を、僕へと向けた。そして怪しい笑みを携え、こんなことを言う。

「ついでにアンタにも――してあげよっか?」

 ドッ――!

 僕の心臓は飛び出しそうなくらいに、その存在を主張する。でも――

「ぼ、僕は……いい」

 首を横に振りながら、口から出たのはそんな言葉だった。


「そう。じゃ、私はこれで――」

 赤緒さんはそう言って、歩き出す。

 席に置いていた鞄を手に、教室の後ろのドアからその姿を消した。
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