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クラス ×イト
第10章 せッきン 【藍山栞2】
「え……!?」
「自殺って……?」
乾くんも去河くんも、私が明かしたその話に驚いてる。当然だろう。私でさえ自分の口がそれを語っていることを、不思議に感じているくらいだ。
だけどもう、話してしまっている。だから私は、それを続けた。
「藍山楓――私の五つ上の姉。楓姉さんは、三年前に突如として、自らの命を絶った。その理由は、まるで不明だったの。つい、最近までは――」
「じゃあ、最近になって……何か、わかったことがあったの?」
乾くんに訊かれて――
「楓姉さんは……恋をしていたみたい。そしてその恋が、成就することは……なかった」
私は、そう答える。
暫く三人の間に沈黙が訪れ、それから去河くんが神妙な顔で口を開いた。
「違ってたら悪りーんだけどよ。前に俺に言ってた……『報われない恋』とか『その顛末』って話……。それって、お前の姉ちゃんのこと、なのか?」
「そう……だけど、あの時は、ごめんなさい」
「な、なにがだよ?」
「楓姉さんのことについては、私の頭の中で勝手に想像して補完していた部分が多いから……はっきり言えば、思い込みだったの。実際にどうだったのかなんて、ほとんど知らない。なのに……私は知ったような顔して、去河くんにあんな風に言ってしまった」
「生徒と教師なんて、無理だ――とか?」
「うん……」
申し訳ない気持ちに苛まれ、俯く私。
けれど――
「常識的に考えれば、そんなの当然だろ。お前の言う通り、俺が甘かったんだ。だからそんなこと、気にしてんじゃねえよ」
そう話した去河くんは、とても晴れやかな顔をしていた。
「自殺って……?」
乾くんも去河くんも、私が明かしたその話に驚いてる。当然だろう。私でさえ自分の口がそれを語っていることを、不思議に感じているくらいだ。
だけどもう、話してしまっている。だから私は、それを続けた。
「藍山楓――私の五つ上の姉。楓姉さんは、三年前に突如として、自らの命を絶った。その理由は、まるで不明だったの。つい、最近までは――」
「じゃあ、最近になって……何か、わかったことがあったの?」
乾くんに訊かれて――
「楓姉さんは……恋をしていたみたい。そしてその恋が、成就することは……なかった」
私は、そう答える。
暫く三人の間に沈黙が訪れ、それから去河くんが神妙な顔で口を開いた。
「違ってたら悪りーんだけどよ。前に俺に言ってた……『報われない恋』とか『その顛末』って話……。それって、お前の姉ちゃんのこと、なのか?」
「そう……だけど、あの時は、ごめんなさい」
「な、なにがだよ?」
「楓姉さんのことについては、私の頭の中で勝手に想像して補完していた部分が多いから……はっきり言えば、思い込みだったの。実際にどうだったのかなんて、ほとんど知らない。なのに……私は知ったような顔して、去河くんにあんな風に言ってしまった」
「生徒と教師なんて、無理だ――とか?」
「うん……」
申し訳ない気持ちに苛まれ、俯く私。
けれど――
「常識的に考えれば、そんなの当然だろ。お前の言う通り、俺が甘かったんだ。だからそんなこと、気にしてんじゃねえよ」
そう話した去河くんは、とても晴れやかな顔をしていた。