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クラス ×イト
第10章 せッきン 【藍山栞2】
「その話を聞いてない僕が、口を挟むみたいで何だけど――」
乾くんはそう前置きをしてから、私にこう訊ねる。
「つまり、藍山さんのお姉さんが恋した相手も――先生だったって、ことなのかな?」
「それは、たぶん……間違いない。そして、この先は私の想像に過ぎないから、そのつもりで聞いてもらいたいのだけど……」
私が視線を向けると、二人は表情を引き締めて聞く姿勢を示してくれた。
「私はその相手が……北村先生だと、思ってる」
「き、北村!」
「僕らの……担任の……?」
コクリ――と、私は静かに頷く。
それから、私は楓姉さんの手帳のことだったり。以前、教え子であったこと。そして、楓姉さんの話をした時の、北村先生の様子。私がそう考えるに至った、微かな根拠を話した。
それを聞いた乾くんは、難しそうな顔をしてる。
「だけど、それだけだと……。あ、ごめんね。別に否定しようとか、そんなつもりはないんだよ」
「いいの。客観的に見たら無理がある結論だってこと、私だって知ってる」
そう……だから、私が一番拠り所にしてるのは、結局は自分の中の感覚。平たく言えば、それは勘に過ぎなかった。
すると――
「そう言えば、なんだけどよ」
それまで黙って聞いていた去河くんが、そんな風に話を切り出す。
乾くんはそう前置きをしてから、私にこう訊ねる。
「つまり、藍山さんのお姉さんが恋した相手も――先生だったって、ことなのかな?」
「それは、たぶん……間違いない。そして、この先は私の想像に過ぎないから、そのつもりで聞いてもらいたいのだけど……」
私が視線を向けると、二人は表情を引き締めて聞く姿勢を示してくれた。
「私はその相手が……北村先生だと、思ってる」
「き、北村!」
「僕らの……担任の……?」
コクリ――と、私は静かに頷く。
それから、私は楓姉さんの手帳のことだったり。以前、教え子であったこと。そして、楓姉さんの話をした時の、北村先生の様子。私がそう考えるに至った、微かな根拠を話した。
それを聞いた乾くんは、難しそうな顔をしてる。
「だけど、それだけだと……。あ、ごめんね。別に否定しようとか、そんなつもりはないんだよ」
「いいの。客観的に見たら無理がある結論だってこと、私だって知ってる」
そう……だから、私が一番拠り所にしてるのは、結局は自分の中の感覚。平たく言えば、それは勘に過ぎなかった。
すると――
「そう言えば、なんだけどよ」
それまで黙って聞いていた去河くんが、そんな風に話を切り出す。