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クラス ×イト
第10章 せッきン 【藍山栞2】
「その前に、いいかお前ら。これは絶対に、この三人だけの秘密だからな」
去河くんに言われて、私と乾くんは神妙に頷く。
秘密の共有も、友達の始まりなのか。楓姉さんを思い出し心を痛める一方で、私は不思議と昂揚するかのような自分がいることに気がつき始めている。
そして、次に去河くんが語り始めたのは、当初ここまで来た私が一番知りたい部分だった。
「北村の野郎は、佐倉先生をフリやがったんだ」
「え! 二人は付き合ってたの?」
そう言った乾くんを、去河くんがジロリと睨む。
「そうじゃねえよ。気持ちを伝えた佐倉先生に対して、それを跳ね除けたってことだ。ああっ、畜生! 話してるだけで、段々ムカついてくるぜ……」
「……」
少し前の落ち込んでいた、佐倉先生の雰囲気はやはり……。私はパズルの小さなピースを、一つはめ込んだ気がしていた。
そして更に、去河くんはこう話す。
「その理由が、またムカつくんだよ。今のクラスが卒業するまで、そんな気になれねえ――とか、適当なこと言いやがったらしい。だけどよ、藍山の話を聞いて少し思ったんだ。『今のクラス』がって、良く考えれば――妙な言い方にも聞こえねえか?」
「……!」
確かに……。そして、私の気持ちを代弁するように、乾くんが言った。
「つまり、もし藍山さんの考え通りだと仮定した場合。妹である藍山さんに、義理立てしてるようにも受け取れる……のかな?」
去河くんに言われて、私と乾くんは神妙に頷く。
秘密の共有も、友達の始まりなのか。楓姉さんを思い出し心を痛める一方で、私は不思議と昂揚するかのような自分がいることに気がつき始めている。
そして、次に去河くんが語り始めたのは、当初ここまで来た私が一番知りたい部分だった。
「北村の野郎は、佐倉先生をフリやがったんだ」
「え! 二人は付き合ってたの?」
そう言った乾くんを、去河くんがジロリと睨む。
「そうじゃねえよ。気持ちを伝えた佐倉先生に対して、それを跳ね除けたってことだ。ああっ、畜生! 話してるだけで、段々ムカついてくるぜ……」
「……」
少し前の落ち込んでいた、佐倉先生の雰囲気はやはり……。私はパズルの小さなピースを、一つはめ込んだ気がしていた。
そして更に、去河くんはこう話す。
「その理由が、またムカつくんだよ。今のクラスが卒業するまで、そんな気になれねえ――とか、適当なこと言いやがったらしい。だけどよ、藍山の話を聞いて少し思ったんだ。『今のクラス』がって、良く考えれば――妙な言い方にも聞こえねえか?」
「……!」
確かに……。そして、私の気持ちを代弁するように、乾くんが言った。
「つまり、もし藍山さんの考え通りだと仮定した場合。妹である藍山さんに、義理立てしてるようにも受け取れる……のかな?」