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クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
もちろん小説なのだから、いくらでも続けようはあるだろう。結ばれた二人に、新たな問題が降りかかって、とか。でも上巻の終わり方はスッキリとしていて、読後感もとても良いもの。完全に話が閉じているのだ。
普通なら下巻の冒頭の導入に繋がるような、すなわち『引き』の展開が入るんじゃないだろうか……。
「……」
もう帰る時間だったけど、そんな意味で興味を引かれた僕は、鞄から二冊目を取り出そうとしていた。
すると、その時。不意に視線を感じた僕は、向いの席に座っているのが彼だということに気がつく。
「あれ……?」
集中して本を読んでいたから、まるで意識してなかったけど。いつの間に居たのだろう?
僕の前の席に座っていたのは――瀬山宗助だった。
「よう」
僕にそう声をかけ、瀬山くんはふっと微笑む。
普通なら下巻の冒頭の導入に繋がるような、すなわち『引き』の展開が入るんじゃないだろうか……。
「……」
もう帰る時間だったけど、そんな意味で興味を引かれた僕は、鞄から二冊目を取り出そうとしていた。
すると、その時。不意に視線を感じた僕は、向いの席に座っているのが彼だということに気がつく。
「あれ……?」
集中して本を読んでいたから、まるで意識してなかったけど。いつの間に居たのだろう?
僕の前の席に座っていたのは――瀬山宗助だった。
「よう」
僕にそう声をかけ、瀬山くんはふっと微笑む。