この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
「えっと……どうかしたの?」

 僕がそう訊くと――

「なにが?」

「あ、いや……」

 即座に訊き返され、僕は意味もなく慌てている。

 たまに話すようになったとはいえ、瀬山くんを前にすると僕は少しの緊張をしてしまうみたいだ。それはクラスに於ける立ち位置を、自然と意識してしまうからなのだろう。

 だけど、何時までもそんな引け目を感じるのは、こうして接してくれる瀬山くんに対して失礼なのかもしれない、とそう思い。

「瀬山くん――部活の時間じゃないの?」

 僕は改めて、そんな風に訊ねてみた。すると――

「まあ、知らないよな。俺――部活、辞めたんだぜ」

「えっ……どうして?」

「うーん……一言では言いにくいが、話した方がいいのか?」

「いやっ……無理に聞くつもりは、ないから……」

「そうか。悪いな」

「ううん、別にいいんだ」


 何処か深い事情を匂わせている瀬山くんに、僕がそれ以上踏み込むことはできない。そう感じた僕は、話題を切り替えようとした。

「瀬山くんって……図書室には、よく来るの?」

 彼の前には数冊の本が積まれているが、パッと見そのジャンルはマチマチ。瀬山くんがそれを読んでいたような雰囲気は、感じられなかった。

「たまにだよ。昼寝するには、いい環境だから」

「フフ、昼寝って。もう、夕方だよ」

 僕にしてみれば瀬山くんに、冗談ぽくそう言えたことが何か嬉しいような気がしてる。

 だけど――瀬山くんの次の言葉は、そんな呑気な僕の心を揺さぶるものとなった。


「まあ、今日は何気に――藍山と話せればと、そう思って来てみたんだが」

/579ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ