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クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
そんなちょっと間の抜けたような僕に、瀬山くんは順を追うようにして、その意図を話してくれた。
「愛してるなんて、それこそ家族とか恋人とか――特定な相手にしか言わない。例えば乾は、誰かを愛してる――と、言ったことあるか?」
「いや、ないない」
僕は思わず首を左右に振ると、それを否定。
「ハハ、そうだよな。俺だってない。そもそも高校生が使えるような、軽い言葉じゃないんだろ。だから俺たちは必然、『好き』という言葉を使う」
「それは……便利、だから?」
「俺にとっては、そうだ。彼女とか友達とか、それは身近な人に限って使う言葉じゃないからな。例えばアイドルだったりタレントだったり、もっと言えばバスケでもマンガでも映画でも、一見その対象は広くて区別がないように思える。だからある意味では、曖昧にしておけるのさ」
「曖昧……?」
僕がそう言って顔を見ると、瀬山くんは少しバツが悪そうに苦笑していた。
「くだらないことを、クドクドと話して悪かったな。つまりそんな意味なら、俺は藍山のことも好きなのかもしれないし、それに乾――お前のことだって、割と好きなんだぜ」
「は……!?」
「ハハハ! そんな顔されると、俺の方が気まずくなるだろ」
「あっ、ごめん」
僕だって、真に受けた訳じゃないけど……それでも、ちょっと焦ったのは事実。
だけど瀬山くんは僕に、どうしてこんな話を聞かせてるんだろ……?
「愛してるなんて、それこそ家族とか恋人とか――特定な相手にしか言わない。例えば乾は、誰かを愛してる――と、言ったことあるか?」
「いや、ないない」
僕は思わず首を左右に振ると、それを否定。
「ハハ、そうだよな。俺だってない。そもそも高校生が使えるような、軽い言葉じゃないんだろ。だから俺たちは必然、『好き』という言葉を使う」
「それは……便利、だから?」
「俺にとっては、そうだ。彼女とか友達とか、それは身近な人に限って使う言葉じゃないからな。例えばアイドルだったりタレントだったり、もっと言えばバスケでもマンガでも映画でも、一見その対象は広くて区別がないように思える。だからある意味では、曖昧にしておけるのさ」
「曖昧……?」
僕がそう言って顔を見ると、瀬山くんは少しバツが悪そうに苦笑していた。
「くだらないことを、クドクドと話して悪かったな。つまりそんな意味なら、俺は藍山のことも好きなのかもしれないし、それに乾――お前のことだって、割と好きなんだぜ」
「は……!?」
「ハハハ! そんな顔されると、俺の方が気まずくなるだろ」
「あっ、ごめん」
僕だって、真に受けた訳じゃないけど……それでも、ちょっと焦ったのは事実。
だけど瀬山くんは僕に、どうしてこんな話を聞かせてるんだろ……?