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クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
 次の日の土曜日には、予期せぬ訪問者があった。僕の父親の妹夫婦の一家。つまり、僕の叔父と叔母と――そして従妹。

 そんな事情もあり、僕の半日は潰れてしまう。その従妹(小5女子)の相手を、させられていたからだ。こんな言い方は、あんまりだと思うけども。それでもちょっとだけ、言い訳をさせてほしい。

 少し前までは、大人しくて可愛げのある女の子。それが従妹に対する、僕の印象だったのに……。久しぶりに会った彼女は、何かとても生意気で我儘になっていたものだから、僕もかなり手を焼いてしまった。

 ゲームの相手をしても、アニメを観せても、彼女はすぐに「なんか、つまんない」と口を尖らせる。結局はそのご機嫌を取るだけで、僕は四苦八苦だった。

 まったく、最近の子は……。なんて、僕が愚痴るのも、可笑しいのだろうか。

 ともかく、彼女を連れ叔父さんが帰ったのは夕食後。そんなこともあり、僕が自分の部屋でほっと一息つけた頃には、すっかり夜になっていた。


「……」

 僕は椅子に座ると、机の上に置いてある本を捲る。それは、藍山さんの本の二冊目――既に読み終えていた上巻に続く、その下巻だ。

 今日は只でさえ半日を棒に振ってしまったのだから、気合を入れたいのは山々。だけど僕はあまり、その本にのめり込めずにいる。

 昨日の夜から少しずつ読み始めてはいたのだけど、小説の内容という意味に於いては、それは魅力的とは言い難い。否、はっきり言って、退屈だった。
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