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クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
上巻は主人公の若い女性の、一人語りの小説。それに対して――
下巻はその相手の男性を主人公とした、同じく一人語りの小説。
つまり視点を男女裏表で入れ替えてはいるけど、結局は同じく二人が結ばれるまでのラブストーリーだった。
例えば女性側が葛藤していた時に、男性側はどんな状況だったとか、下巻にはそんな答え合わせ的な愉しみ方も確かにある。
だけど、結局は二人のハッピーエンドは決定事項な訳で……。そんな意味に於いては下巻側に対して、やや興味が薄れてしまうもの仕方がないように思えた。
「さて……読まなきゃ」
僕は自分に言い聞かせるように呟くと、本の世界に入り込もうと試みる。別に僕は個人的な愉しみの為に、この本を読んでる訳ではない。
あくまでも、それは藍山さんの為に……。
そんな想いも新たに、僕はまだ先の長い下巻を読み解こうとしてゆく――。
下巻はその相手の男性を主人公とした、同じく一人語りの小説。
つまり視点を男女裏表で入れ替えてはいるけど、結局は同じく二人が結ばれるまでのラブストーリーだった。
例えば女性側が葛藤していた時に、男性側はどんな状況だったとか、下巻にはそんな答え合わせ的な愉しみ方も確かにある。
だけど、結局は二人のハッピーエンドは決定事項な訳で……。そんな意味に於いては下巻側に対して、やや興味が薄れてしまうもの仕方がないように思えた。
「さて……読まなきゃ」
僕は自分に言い聞かせるように呟くと、本の世界に入り込もうと試みる。別に僕は個人的な愉しみの為に、この本を読んでる訳ではない。
あくまでも、それは藍山さんの為に……。
そんな想いも新たに、僕はまだ先の長い下巻を読み解こうとしてゆく――。