この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
ずっとモヤモヤした気持ちで、午前の授業を過ごしていた僕。その昼休みになると、意を決したように自分の席を立つ。
目指す先は窓際の席に座る、藍山さん。僕は自分の言うべきセリフを、頭の中でもう一度繰り返していた。
『朝は急いでたら、つい市原さんにぶつかっちゃってさ。あ、眼鏡を拾ってくれて、ありがとうね。それと、本はもうすぐ読み終わるから』
よし……そう言って、自然に話しかければ、たぶん……平気。そう思いつつも彼女に近づくにつれ、カチコチに緊張してゆく僕の身体。先週以来ロクに話せていないことも、かなり影響しているみたい。
それも含め、ともかく――
「あのさ――」
と、その背中に声をかけようとした時だった。
「――!?」
ポンポンと誰に肩を叩かれ、自然と顔を後ろを向ける僕。そしたら――
――ぷにっ。
肩に置かれた手から伸びる人差し指が、僕の頬に突き当たっている。
「アハハハ」
そんな超古典的な悪戯をして、無邪気に笑うのは市原さん――。
「……」
ホント一体、なんなの……? どう反応していいのかさえわからずに、僕は只々戸惑うばかりだった……。
目指す先は窓際の席に座る、藍山さん。僕は自分の言うべきセリフを、頭の中でもう一度繰り返していた。
『朝は急いでたら、つい市原さんにぶつかっちゃってさ。あ、眼鏡を拾ってくれて、ありがとうね。それと、本はもうすぐ読み終わるから』
よし……そう言って、自然に話しかければ、たぶん……平気。そう思いつつも彼女に近づくにつれ、カチコチに緊張してゆく僕の身体。先週以来ロクに話せていないことも、かなり影響しているみたい。
それも含め、ともかく――
「あのさ――」
と、その背中に声をかけようとした時だった。
「――!?」
ポンポンと誰に肩を叩かれ、自然と顔を後ろを向ける僕。そしたら――
――ぷにっ。
肩に置かれた手から伸びる人差し指が、僕の頬に突き当たっている。
「アハハハ」
そんな超古典的な悪戯をして、無邪気に笑うのは市原さん――。
「……」
ホント一体、なんなの……? どう反応していいのかさえわからずに、僕は只々戸惑うばかりだった……。