この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
 そうして、藍山さんが出て行った教室の出口の方を、僕が呆然と眺めていた時のことだ。教室内ではそんな僕と全く無関係に、緊迫した場面が訪れている。


「コレ、書いたの。貴方なんでしょ?」

 決して大きな声ではなかったけど、何処かピリッとした存在感と共にその言葉は僕の耳に届いた。否、僕だけじゃない。そこに漂う不穏な空気を察するように、多くのクラスメイトが彼女に注目してざわめき始めている。

 その言葉を発していたのは――赤緒礼華。更にその隣にはクラスの委員長である、西慶介の姿も見受けられ――。

 赤緒さんの手には、便箋のような紙切れが握られている。その場面はそんな二人が同調して、まるでその一人を問い詰めているようにも見えた。

 赤緒さんと西くんを前にして、ションボリと肩を落として立つ、その一人とは僕の良く知る人物。


「三生……?」

 その光景に胸騒ぎを覚えた僕は、急いで三人の方に歩み寄っていた。


「……」

 三生は少し顔を青ざめさせ、黙って俯いている。

 その様子を厳しい顔で睨みつけると、赤緒さんは怒りを滲ませるようにして言った。

「どうなの?」

 三生の肩がビクリと震える。そんな様子を見かね――

「三生……なにか、あったの?」

 僕は恐る恐る、そう声をかけた。

 すると、僕に気がついた、三生は――

「別に……なんでもないんだ」

 そう呟いて、その場から逃げるようにして駆け出して行った。
/579ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ