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クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
 僕は教室を飛び出した三生が気になり、その後を追おうとしていた。

 そうして、廊下に出た時。僕がそこで見かけたのは、一人で外を眺めている澤田裕樹。裕樹も僕に気がつき、自然と視線が重なっていた。

 中学時代の親友だった裕樹とは、些細なわだかまりもあって、今もお互いに微妙な感じのまま……。

「裕樹――三生、見てない?」

 黙って行き過ぎるのも気が引けて、僕は不意にそう訊ねていた。

「喜嶋? ああ、さっき向こうに走って行ったぞ」

 裕樹は指を差して、その方向を僕に示した。

「そっか」

 と、教えられた通り、行こうとする僕だけど。

「お前さ――茜と何かあったの?」

 裕樹にそう話しかけられ、僕はピタリと足を止める。

「え……市原さん? 別に……何もあるわけないよ」

 今朝のちょっとした騒ぎと、もしかしたらさっき話してた処も見ていたのだろうか。それでも、裕樹がそんなことを言い出した理由は、僕にはまるでわからなかった。

「なら、いいけど……一応は忠告してやろうと思ってさ」

「忠告……?」

「茜には気をつけろよ。あの女――結構、とんでもねーから」

 裕樹は苦笑を浮かべながら、そんな風に言ってる。
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