この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
僕は教室を飛び出した三生が気になり、その後を追おうとしていた。
そうして、廊下に出た時。僕がそこで見かけたのは、一人で外を眺めている澤田裕樹。裕樹も僕に気がつき、自然と視線が重なっていた。
中学時代の親友だった裕樹とは、些細なわだかまりもあって、今もお互いに微妙な感じのまま……。
「裕樹――三生、見てない?」
黙って行き過ぎるのも気が引けて、僕は不意にそう訊ねていた。
「喜嶋? ああ、さっき向こうに走って行ったぞ」
裕樹は指を差して、その方向を僕に示した。
「そっか」
と、教えられた通り、行こうとする僕だけど。
「お前さ――茜と何かあったの?」
裕樹にそう話しかけられ、僕はピタリと足を止める。
「え……市原さん? 別に……何もあるわけないよ」
今朝のちょっとした騒ぎと、もしかしたらさっき話してた処も見ていたのだろうか。それでも、裕樹がそんなことを言い出した理由は、僕にはまるでわからなかった。
「なら、いいけど……一応は忠告してやろうと思ってさ」
「忠告……?」
「茜には気をつけろよ。あの女――結構、とんでもねーから」
裕樹は苦笑を浮かべながら、そんな風に言ってる。
そうして、廊下に出た時。僕がそこで見かけたのは、一人で外を眺めている澤田裕樹。裕樹も僕に気がつき、自然と視線が重なっていた。
中学時代の親友だった裕樹とは、些細なわだかまりもあって、今もお互いに微妙な感じのまま……。
「裕樹――三生、見てない?」
黙って行き過ぎるのも気が引けて、僕は不意にそう訊ねていた。
「喜嶋? ああ、さっき向こうに走って行ったぞ」
裕樹は指を差して、その方向を僕に示した。
「そっか」
と、教えられた通り、行こうとする僕だけど。
「お前さ――茜と何かあったの?」
裕樹にそう話しかけられ、僕はピタリと足を止める。
「え……市原さん? 別に……何もあるわけないよ」
今朝のちょっとした騒ぎと、もしかしたらさっき話してた処も見ていたのだろうか。それでも、裕樹がそんなことを言い出した理由は、僕にはまるでわからなかった。
「なら、いいけど……一応は忠告してやろうと思ってさ」
「忠告……?」
「茜には気をつけろよ。あの女――結構、とんでもねーから」
裕樹は苦笑を浮かべながら、そんな風に言ってる。