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クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
 午後の授業が始まると、僕は後ろ方ををチラッと振り向き、三生が戻っていることを確認していた。

 結局、昼休みには会えなかったから。その姿を見て一応は、ホッとしてる僕。

 それにしても一日で、こんな色んな人と絡んだのは、何時以来だろうか。『D3』としてひっそりと教室で過ごしてきた僕とすれば、それだけで随分と疲労を覚えてしまっていた。

 だけどそうすることで、今まで知らなかった想いを知ったりして……。そして、もっと知りたくなったりも、している。

 身近な要二や三生、そして想いを寄せる藍山さんは、もちろんだけど……。

 裕樹だって、瀬山くんや赤緒さんだって、市原さんや西くんにしても、もしかしたら北村先生だってそうなのかもしれない。誰もが何かを抱えて、きっと――葛藤してる。

 僕らのクラス――『2―C』の三十三人。小さな教室には、今だって様々な行き場のない想いたちが――蠢いてる。

 その巨大な渦に呑み込まれるような――そんな気がして、僕は少しだけそれが怖く思えた。

 そんなちっぽけな僕だけど――否、そんな僕だからこそできるだって、きっとある筈。

 ふと、そんな風に感じた。
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