この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第11章 マえぶレ 【乾英太3】
そうして、下巻までを読破した僕は――
「……」
――暫し、絶句していた。
なに、このラスト……?
下巻には上巻にはなかった、エピローグがあって……。それは、七章の終わりから一年後の話なの、だけど。
主人公の男性はフラワーショップで華を買い求め、それから向かった先は――墓地だった。
それが誰のお墓かという描写はなかったけれど、そこまで読めば当然そう考えるしかない。つまり、上巻では結ばれていた筈の恋人の女性――そのお墓だと、いうことを。だけど彼女が命を落としている、なんて何処にも書かれてはいない。
そもそも、その女性視点で書かれた上巻では、二人は間違いなく結ばれているのだから。
僕は僅か背筋にゾクリとしたものを感じながら、それでも何かに掻き立てられるように上巻を机に出すと、それをパラパラと早足に読み始めていた――。
そうした時――。
「――!」
僕は気になる場面を前にして、目を止める。
それは、六章の最後の部分。すなわち下巻と話しが食い違ってゆく、その直前。
【私は全てを捨てる。家族も友人も仕事も財産も……そして、未来さえ投げ出す覚悟を以って、貴方に……この想いを届けてみせる】
「……」
以降の七章は二人が結ばれる展開だったから、最初に読んだ時は気に留めなかった。
けれども、これって受け取りようによっては――遺言?
「……」
――暫し、絶句していた。
なに、このラスト……?
下巻には上巻にはなかった、エピローグがあって……。それは、七章の終わりから一年後の話なの、だけど。
主人公の男性はフラワーショップで華を買い求め、それから向かった先は――墓地だった。
それが誰のお墓かという描写はなかったけれど、そこまで読めば当然そう考えるしかない。つまり、上巻では結ばれていた筈の恋人の女性――そのお墓だと、いうことを。だけど彼女が命を落としている、なんて何処にも書かれてはいない。
そもそも、その女性視点で書かれた上巻では、二人は間違いなく結ばれているのだから。
僕は僅か背筋にゾクリとしたものを感じながら、それでも何かに掻き立てられるように上巻を机に出すと、それをパラパラと早足に読み始めていた――。
そうした時――。
「――!」
僕は気になる場面を前にして、目を止める。
それは、六章の最後の部分。すなわち下巻と話しが食い違ってゆく、その直前。
【私は全てを捨てる。家族も友人も仕事も財産も……そして、未来さえ投げ出す覚悟を以って、貴方に……この想いを届けてみせる】
「……」
以降の七章は二人が結ばれる展開だったから、最初に読んだ時は気に留めなかった。
けれども、これって受け取りようによっては――遺言?